遺言

Testamentは聖なる契約から転じて聖書のことですが、税法においては遺言による相続のことを言います。遺言を残さない場合はIntestament(無遺言相続)です。

Testamentという小説を書いたのはJohn Grishamですが、この小説は、総資産110億ドルを超える財産の遺言により配偶者や子供たちには財産を残さず、非嫡出子にすべてを与えるということで、物語が展開していきます。

遺言は、@ 財産の分配を指示するA 遺産財団の管理人を任命するB 未成年の子供の後見人を任命するCその他の事を行います。

財産の分配の指示をする場合、遺言はプロベートによらない財産の移転をコントロールすることはできません。例えば、共有財産で生き残った人のものに自動的に所有権が移転するものや、トラストの財産、生命保険、年金など受取人が個々に指定されているものです。

正当な遺言であれば、個人の意志により、どのように財産を遺贈しても良いわけです。そうすると、配偶者や子供が財産を相続できないといった上記の小説のような事態が発生することがありえます。日本の場合は、民法により相続人が最低限相続できる財産(遺留分)を定めており、これにより、配偶者や子供は、最低限の財産をおさえることができる安全装置になっています。

アメリカにおいても、生存する配偶者また子に対して控除分が認められており、債権者への支払いや遺産分割の前に、これらの額を優先的に除外し、あたかも日本の遺留分と同じ効果を持っています。ただし、州により内容が異なります。

故人が遺言を残さずに死亡した場合は、各州の無遺言相続法により個人の財産を分配します。遺産分配は一般的な順序があります。各州により若干の違いがあるものの、配偶者が相続し、子や孫が相続を行います。孫の分配の取り扱いに関しては、Per Stripes/Per Capitaという方式の違いで孫の受け取り分が異なります。

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検認裁判

検認裁判(プロベート)

日本においても、遺言書がある場合は、遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は,遺言者の死亡を知った後,遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。また,封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければなりません。

アメリカにおいても、遺言がある場合、検認裁判が不可欠になります。これは純粋に法律的な手続きで、弁護士が検認裁判所で行います。簡単に列挙しますと、次のようなことを法的な手続きに従い行います。

   * 遺書が有効であることを証明する(遺書ありの場合)
   * 個人の財産を確定し目録を作る
   * 資産評価を行う
   * 負債・税金を支払う
   * 遺書に基づいて資産を分配する

個人の財産の確定には、時間がかかります。財産が誰の手に帰属しているか、他の人に渡っていないか、誰がその財産について請求権を持っているかとかを個別に調べていかねばなりません。

 裁判所での手続きであるため、時間が1年以上もかかることがあります。ほとんどは弁護士が行うので費用が高く、一般には遺産税額の5%はかかると言われます。個人の財産等のすべてが白日にさらされ、裁判所の記録に載ると公開となり、誰でも閲覧できる可能性があります。こうした理由のため、検認裁判は避けたいものです。

ただし、必ずしも個人の持っている全ての資産が、検認裁判の対象になるのではなく、小額資産や共有財産と受取人が指定されているものは検認裁判を免れることができます。さらには、トラストを設定することで、検認裁判を避けことができます。トラストにより、高額な遺産税を繰り延べることもできます。税金を支払うために、不動産を売却したりする事を回避できるわけです。ただしあくまでも繰り延べで、納税義務から免れるものではありません。

それ以外では、遺言書の有無にかかわらず、基本的には、それらの財産の相続をするには検認裁判を行います。

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