誰が相続するか
(遺言・無遺言)

Testamentは聖なる契約から転じて聖書のことですが、税法においては遺言による相続のことを言います。遺言を残さない場合はIntestament(無遺言相続)です。

誰が遺産を相続するかについては、故人の配偶者や子が相続するのが自然ですが、必ずそうしなければならないということはありません。Will(遺言)により誰がどれだけ相続するかを自らの意志で決めることができます。

正当な遺言であれば、個人の意志により、どのように財産を遺贈しても良いわけです。そうすると、配偶者や子供が財産を相続できないといった上記の小説のような事態が発生することがありえます。日本の場合は、民法により相続人が最低限相続できる財産(遺留分)を定めており、これにより、配偶者や子供は、最低限の財産をおさえることができる安全装置になっています。

アメリカにおいても、生存する配偶者また子に対して控除分が認められており、債権者への支払いや遺産分割の前に、これらの額を優先的に除外し、あたかも日本の遺留分と同じ効果を持っています。ただし、州により内容が異なります。

故人が遺言を残さずに死亡した場合は、各州の無遺言相続法により個人の財産を分配します。遺産分配は一般的な順序があります。各州により若干の違いがあるものの、配偶者が相続し、子や孫が相続を行います。孫の分配の取り扱いに関しては、Per Stripes/Per Capitaという方式の違いで孫の受け取り分が異なります。

財産譲渡の方法

故人から相続人へ財産が譲渡される方法は3つあります。検認裁判によるもの、受取人指定による直接譲渡、トラストによるものです。

生命保険においては、被保険者が死亡したときに、保険金を受け取る受取人が指定されています。また、個人年金勘定などでもBeneficiary designationとして受取人を指定できます。受取人が明快になっている場合は、検認裁判を通さずに、その指示により分配されます。銀行口座についてはPayable-on-death (POD)とし、株式などについてはTransfer-on-death (TOD)とします。

リビングトラストは財産の所有権を個人のために持つことができます。トラストを使うことにより、検認裁判を回避することができます。トラストの書類は遺言と同じように、死亡時にトラストの財産がどのように分配されるかを明示します。

なお、遺言の中味と受取人指示が一致しないことが出てくる事があります。また、遺言も何回か書き直すこともありますので、遺言と個々の財産の受取人指名に矛盾が出ないようにしなければいけません。また、離婚した場合など、現在の配偶者に家をを残すつもりが、分かれた配偶者に家が遺贈されるようになると、大変な問題になります。

相続放棄債務超過

相続する権利を放棄してしまう場合、州法により処理されることになります。また、故人が債務を残している場合があり、せっかく財産を分与されると期待しても、負債の方が資産を上回った場合には、財産を受け取ることができません。負債を相続するのではなく、相続すべき財産がなくなり、何ももらうことができないことになります。また、仮に、マイナスでなくとも、優先債権として、葬儀費用を支払った後に、国や州が税金等を先取りします。残った分が小さくなりすぎて、まさに清算手続きと同じように、当事者の中で受け取り分を平等に90%や95%をカットされてしまうことも起こりえます。いずれにしても、各州法に従い受け取りの仕方が決められています。

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