連邦遺産税とは
(2005-7-10)

遺産税と相続税

人が亡くなった時に被相続人の財産は、相続をする人に移転します。この相続に対して金額により課税が発生します。相続税は被相続人の残した財産(遺産)に対して課税するやり方と、財産を取得した人(相続人)に対する課税のいずれかを行います。前者がアメリカの方式(遺産税)で後者が日本の方式(相続税)です。

連邦贈与税と遺産税は財産を移転する権利に対する課税です。権利に対して課税が行われ、権利を行使する人が税金を払います。即ち、財産を与える人が課税され、財産をもらう人は課税を受けないのです。生きている間に財産を移転するのが贈与税で、死亡により財産が移転するのが遺産税(または相続税)です。財産をあげる人が生きている間か亡くなってからかの違いはあるものの、基本的には同じ概念と言えます。

連邦遺産税は、亡くなった日から9ヶ月目が申告期限になっています。6ヶ月の申告期限の延長はオリジナルの申告期限に申請することで可能ですが、その場合でも、期限内に遺産税額の予定額の支払をしなくてはいけません。

税金を払う人

遺産税方式は被相続人の遺産を対象にして課税するものです。従い、相続人の数や遺産の分割結果によって税負担が影響を受けることはありません。被相続人が亡くなるときにその一生の間に蓄積した財産について、税負担を精算し、財産の一部を社会に還元し富の集中を排除しようとするものです。遺産税額に単純に税率をかけて課税するため、シンプルなやり方です。

実際には、亡くなった人が課税を受けて税金を払うことは、不可能ですから、故人に代わり遺産財団が組まれ、遺産管理人または遺言執行者による精算業務がなされます。

州の遺産税(相続税)

連邦税の他に、州ごとの遺産税または相続税があります。州によっては日本と同じ相続税方式をとるところがあるのです。これにより、連邦税と州税の二つが課税されることになりますが、大多数の州では連邦税で控除される州税の部分が課税されます。そうすると、全体の税額は不変で、連邦と州が税額を分け合う形になっているのが原則的な考え方です。

Generation Skipping Tax

財産を移転する場合、親から子、子から孫へと行われることが普通です。これに対し、通常であるならば、2回の課税の機会があります。そこで、親から孫に、一気に財産を移転すれば課税の機会は1回になると考える人たちがおりました。現在は、これに対しては、子に対して一度、財産の移転が行われたという前提に立ち、2回分の課税を行うようにGeneration Skipping Taxが設けられ、課税を回避することはできません。なお、孫に財産を移転するに当たり、既に子が亡くなっている場合は、この限りではありません。

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遺産税の廃止?

ブッシュ大統領は2000年の大統領選挙戦に臨んだ時に、次のように言いました。“農家が農場を持ち続けらるようにするために、我々は遺産税を廃止する!何十年にも渡り苦労に苦労を重ねて農場ち、子供を育て、やっと事業を築き上げている。しかし、農家の大黒柱が亡くなった時に、残された家族が税金を払うために農場を手放さなければいけないのは道徳的か。”というです。

もともと、生前に所得税をきちんと払っているので、これは二重課税ではないのかというのです。反対に、何世代にもわたり、限られた人の手に富が集中されるのはよくないと考えて、亡くなった方がお世話になった社会に、その富をお返しすることが良いと、遺産税を残すべきだと考える人もおります。

世界的に見れば、既にアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、インド、メキシコ、スイス、スウエーデン、ロシアが相続税のない国になっています。いまやアメリカがロシアよりもっと社会主義的な国となったのではないでしょうか。

2001年6月7日にブッシュ大統領は2001年減税法案のなかで、選挙戦の公約を守り、段階的に遺産税率を引き下げ、2010年に遺産税を廃止することを盛り込みました。

遺産税の変動
最高税率 生涯控除額 生涯控除額
非居住者
2001 55% 675,000 60,000
2002 50% 1,000,000 60,000
2003 49% 1,000,000 60,000
2004 48% 1,500,000 60,000
2005 47% 1,500,000 60,000
2006 46% 2,000,000 60,000
2007 45% 2,000,000 60,000
2008 45% 2,000,000 60,000
2009 45% 3,500,000 60,000
2010 0% 0 0
2011 55% 675,000 60,000

ということで、アメリカの連邦遺産税は2010年に廃止されます。しかしながら、今のままでは、2011年には遺産課税が復活するのです。



控除

アメリカ市民と贈与税・遺産税における居住者の場合は、次のような控除があります。

生涯控除

財産を移転するに当たり、その人が一生の間(亡くなった時も含めて)に使うことができる生涯控除額があります。贈与税に対しても、遺産税に対してもどちらに使ってもよいことになっています。例えば、非課税贈与は年間11,000ドルまでとなっており、これを越えた部分については課税されます。しかしながら、生涯控除額を取り崩せば、実際に税金を払うことはなくなります。そのかわり、亡くなった時の遺産税の控除額がその分だけ減少します。

生涯控除は、2005年では1.5百万ドル($1.00=110円で165百万円)で、2006年には2.0百万ドルとなり、2009年には3.5百万ドルとなります。即ち、この生涯控除額の範囲内の財産ならば、アメリカの市民・居住者は課税がおきません。

夫婦間控除

夫婦間の控除は無制限に無税で行うことができます。

慈善寄付控除

非課税の対象になっている慈善団体に寄付を行う場合は、金額にかかわらず無税となります。

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