関税

関税について考えることは、少ないかも知れませんが、事業の成立性から見た場合に大きな要因です。即ち、日本の製品(今日では中国やアジアからの対米輸出)がアメリカ市場で、競合をする時に、価格競争力が大きな要素です。例えば、関税が25%かかるのであれば、既に、アメリカに製品を持ち込んだ段階で25%のコストを背負って市場参入するわけです。

この関税をマーケットに転嫁できるだけ競争力のある商品ならばいいのでしょうが、実際にはこの関税ゆえに市場参入ができないことも十分ありえます。

自動車では過去にはキャブシャシーの関税率が問題になりました。即ち、日本からアメリカへ輸出した小型トラックの荷台をはずし(シャシーにキャブが付いている状態)、完成車ではないとしました。当時の輸入関税は部品扱いで4%でした。米国の財務省は、従来トラックのキャブシャシー、つまりトラックの荷台のないものはトラックの部品に分類して、したがって4%の関税を課してきていたわけです。

このため、アメリカに荷台だけを作る工場を持ち、アメリカの中で完成車にしたわけです。日本の小型トラックの対米輸出は1975年には25万台であったものが、1970年代末には倍増してしまいました。これに対し、アメリカ政府のとった対応策は、このキャブシャシーは事実上、完成車であるということで、80年5月から関税を一気に25%まで持ち上げました。

当時、日本からの輸出は集中豪雨的になされたと言うこともあり、アメリカはさらにローカル・コンテンツ法案を可決して、アメリカで10万台以上の車を販売するメーカーには、売上げに応じて90パーセントまでの現地部品調達比率を義務づけるというものだった。日本の輸出はアメリカにとって失業の輸出でもありました。

さらに、為替レートの調整も行われ、日本のメーカーとしてはアメリカ国内に工場を立て、アメリカでの雇用を確保し、現地部品を用い、為替レート変動からも免れることになりました。

関税が事業に与えるインパクトは大きなものがあります。世界が地域経済圏化し、域内で関税を撤廃したり、低税率を適用しているために、域内国に持ち込み、そこで組み立てたものを再輸出することもあります。

逆に考えれば、完成品ではなく、部品扱いにして関税を下げ、輸送費や組み立てコストなど総合的に考えてどちらが合理性があるか考えることもできます。

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