Alternative Minimum Tax



Alternative Minimum Tax(最低代替税) とは米国特有の税制で、1969年に高額所得者の節税策に歯止めをかける目的で導入されました。通常の所得税の計算過程で、項目別控除、免税債利子、加速度減価償却、人的控除、外国税額控除などの減税恩典を多額に受けることによって税金の軽減が達成できます。しかしこの計算では優遇措置により控除となっている項目(課税年度に支払われた州税、市税、固定資産税およびビジネス経費など)を所得に加算してAMT税率を乗じて税額を再計算します。この税額が通常の税額を超える場合にはその差額を最低代替税として上乗せされるという仕組みになっています。

Alternative Minimum Taxの計算で繰り戻される優遇措置

・ 人的控除
・ 標準控除
・ 医療費控除やその他の項目別控除
・ 定額償却を超える加速度減価償却の額
・ ストックオプション行使の所得
・ 繰越損失
・ 外国税額控除
・ 投資関係費用等

Alternative Minimum Taxの例

2004年において3人の子供がいる夫婦の給与所得が$140,000で、$10,000の住宅ローンと州税・地方税を$17,000 支払っている。

AMTでは人的控除や州税・地方税が使えなくなり,その反対にAMT控除を$58,000取ることができる。. 課税のブラケットは通常の税金で25%、AMTは26%である。

Alternative Minimum Tax 計算例(2004年ベース)

@通常分

 

AAlternative Minimum Tax


所得

140,000

 

所得

140,000

 

人的控除:5人分x@3,100

-15,500

 

 

(人的控除なし)

0

 

住宅ローン利子控除

-10,000

 

 

住宅ローン利子控除

-10,000

 

州税・地方税

-17,000

 

 

 AMT控除額

 -58,000

課税所得

97,500

 

AMT 課税所得

72,000

通常の税金

 

 

AMTの税金

 

 

( 25%のブラケット)

17,850

 

 

(26 %のブラケット)

18,720

 
@よりもA
の方が税額が多い。そのためAMTの税額が税金の支払額になる。


日本にはなくて、アメリカにある税金のシステムです。時間をかけて税金の計算を行い、通常の税金を算出してお終いと思った所から、さらにもう一回Alternative Minimum Taxの計算を行います。そして通常の税金が大きければ、通常の税金をとり、Alternative Minimum Taxが大きければこちらを取ると言う選択性になっています。

たいていは時間をかけてやっと通常の税金を出したと思った上に、さらにもう一回Alternative Minimum Taxの計算を行うのでやっかいです。日本人は、Alternative Minimum Tax控除額を上回る所得のケースが多いことや、外国税額控除の処理が複雑でこの計算に頭を悩ます事になります。

1970年当時のAlternative Minimum Taxの影響を受けた人は19千人でした。一般の控除はインフレ調整があるのですが、この仕組みではインフレ調整はなく、1989年ベースを引きずるので、どんどん多くの人がこの税金の対象になってしまいます。2003年減税法が立法化される直前では、2003年は2.4百万人、2004年は2.9百万人、2005年には11.3百万人、 2010年には30百万人が影響を受けると言われ、もはや金持ちだけが対象とはならなくなってしまいました。ブッシュ大統領は2005年1月に共和・民主両党からなるパネルに、長期経済成長を促し雇用創出をするアメリカ税法の簡素化の方法を諮問した。この大統領の連邦税改革パネルは10ヶ月をかけて改革案をまとめ、このAMTを廃止する提言を盛り込んでいるが、実現のめどは立っていません。



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