源泉徴収



非居住外国人は2つの課税形態を受ける可能性があります。一つはアメリカでの事業によらないアメリカ源泉所得に対するもの、もう一つはアメリカでの事業に関係するものです。

事業によらないアメリカ源泉所得

アメリカ源泉の賃金、報酬、利子、配当、家賃収入やロイヤルテイは30%(一般原則)の源泉課税を受けます。支払者がその分を源泉徴収して納めます。課税対象はグロス金額に対して行われます。課税所得に達するまで控除を取ることができるというものではありません。キャピタルゲインや資産売却益は含まれません。

グロスの30%ですから、ネットにすれば30%を超えてしまいますし、場合によっては利益が出なくても源泉徴収されてしまいます。

給与、賃金、報酬の課税

アメリカでなされたサービスの対価としての給与・賃金・報酬は、アメリカ源泉所得です。非居住者に対する給与・賃金・報酬は(1)30%の源泉税か(2)アメリカ人または居住者と同じように課税されます。

次の条件を満たした場合、1課税年度にその金額が$3,000以下の場合、源泉課税することは不要です。

(1) 非居住者が一時的にアメリカに滞在している
(2) 非居住者がその課税年度に90日以上アメリカに滞在しない
(3) 雇用者はアメリカで事業をしていない外国人かアメリカの雇用者の外国事務所のいずれかである
アメリカでの役務提供はアメリカでの事業になるので、その対価の支払は源泉徴収ではなく、事業所得の申告になる。


外国人学生・研究者への奨学金と助成金

F, J, M またはQビザでアメリカに滞在している人がもらう奨学金や助成金で課税対象のものは源泉徴収されます。税率は14%適用。授業料などの適格部分は非課税ですが、生活費充当部分は課税対象です。


利子所得

アメリカの非居住者であること示すため、W-8フォームを提出することにより、基本的には非課税ですが、細かくは例外もあります。逆に言えば、アメリカ居住者は利子所得に通常の所得税が課せられます。

銀行預金の利子

アメリカ非居住者がアメリカの銀行に預金をして、そこから得られる預金利子は、アメリカにおいては非課税です。しかしながら、日本においては海外外貨預金の利子は総合課税の対象になります。

米国債・地方債などの利子

アメリカ非居住者が所有するアメリカの国債や地方債の利子は、アメリカにおいては非課税です。社債利子は原則的には課税対象となります。日本においてはアメリカの債権の利子は総合課税の対象になります。

ポートフォリオ利子控除は10%株主か10%パートナーに受け取られたものについては適用できません。法人の大株主はポートフォリオ控除で、無税の所得を受けることはできません。


配当所得

配当が現金や物品で支払われても、アメリカ源泉の配当に対しては15%の源泉課税がされます。アメリカの会社の配当はアメリカ源泉となります。外国会社の配当は外国源泉です。アメリカの会社からの配当であっても、その会社の総収入の80%以上が外国からのものならば、源泉課税を部分的に、または全部を免れることもありえます。80%テスト該当かどうかは配当が払われる年を含めて前3年が考慮されます。 前3年の外国会社の総収入の25%以上がアメリカ事業からのものならば、その会社の配当はアメリカの源泉課税を受けます。

株式による配当は非課税です。日本においては、アメリカ源泉の配当は総合課税の対象になり、アメリカの源泉税は外国税額控除の対象となります。

賃貸所得

アメリカにある資産を使うことに対して賃貸料が払われた場合、アメリカ源泉所得で、源泉税の対象です。実際にはこれは、アメリカでの事業ということになり、関連費用を控除できるのでこの方が得になります。

使用料

アメリカ源泉の使用料は源泉課税対象です。知的財産の売却益も、生産性によるとか使用やその後の売却により支払われるなら源泉対象です。新租税条約では居住国のみでの課税となり、支払い国では源泉税の対象となりません。


その他の源泉税の対象となるもの
1. 慰謝料
2. ギャンブルの勝ち
3. 社会保障給付

租税条約の効果

租税条約で、低減税率を用います。租税条約には短期滞在者免税があります。
受益者 税率
配当 特定の親子間配当 0%
上記以外の親子間配当 5%
年金基金 0%
ポートフォリオ配当 10%
利子 金融機関が受益者 0%
上記以外のものが受益者 10%
使用料 原則としてすべての受益者 0%


資産売却

アメリカ非居住者が所有する資産売却益は、原則的にはアメリカでは非課税です。しかし、非居住外国人が保有するアメリカにある不動産を売却の譲渡益は、アメリカの事業を行っているものとして、ネット方式で課税を受けます。


源泉代理人

30%の源泉課税は支払者の段階でおきます。源泉税は支払者(源泉代理人)がIRSに支払います。

アメリカではパートナーシップは税金の支払者ではありません。外国人パートナーの分に源泉課税されます。アメリカのパートナーシップでは、パートナーシップは外国人パートナーへの支払から源泉徴収しなければいけません。外国のパートナーシップでは、所得の支払者が外国パートナーシップに対する支払の源泉徴収をしなければなりません。

実際には支払者の側は、例えば奨学金を払うにしても、税制適格な費用に使われるか、生活費に使われるかは個人ごとの固有の状況になるので判断がつきません。基本的にはすべてに源泉徴収して、個人が還付請求するようにしている。

ある場合には源泉代理人は源泉税を除外されることがあります。例えば、受取人がアメリカ市民、アメリカ居住者、内国会社や内国パートナーシップであるという書面を出し、それに基づいた場合です。

事業による所得

非居住外国人の事業所得は、ネットベースでの課税となります。課税所得に対して累進課税されます。

アメリカ国内で通常、実態的に、継続的に利益目的の行為が直接または代理人を通じて行われると、事業があることになります。アメリカ国内での役務提供はアメリカ事業です。この概念は外国から訪問する芸能人やスポーツ選手にも適用されます。$3,000以下の場合は例外となります。

事業所得であるかどうかの決定は複雑ですが、次のいずれかのテストに合えば、事業所得となります。

1. 所得がアメリカ事業で用いられる資産から生まれた場合
2. アメリカ事業が所得を生み出す実質的な要素であること

在庫をもって販売している利益は、アメリカで行われている限り事業所得です。アメリカビジネスに関係している、いないにかわらず。例えば外国会社がアメリカアメリカの事業を持ち、そこでオフィス家具を売っているとします。そこを通じて外国のオフィスがコンピュータ機器を売るような場合です。アメリカでお客様にコンピュータ機器を売るのは事業所得です。

租税条約の効果

恒久的な施設がある場合のみ、事業所得は課税されることになります。


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