日米に渡る国際税務
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アメリカに資産がある アメリカで源泉課税される
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Last Updated : 1/4/2009
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2005 110.11
2004 108.18
2003 115.94
2002 125.22
2001 121.57
2000 107.80
1999 113.73
1998 130.99
1997 121.06
1996 108.78
1995 93.96
1994 102.18
1993 111.08

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NY州弁護士Jeffrey A. Galantの投稿

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Jeffrey A. Galant, Attorney
Herrick, Feinstein LLP
2 Park Avenue
New York, N.Y. 10016
212-592-5905 (Tel)
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免責事項

2008年度分申告

Tax year 2008

2008年度分申告
こちらからお入り下さい→2008年申告の解説

初めてのアメリカ税務申告


アメリカの個人所得税や法人所得税の税務申告があと少しで始まる。税金に関する事柄は幅が広く、税金の種類もたくさんあるのだが、連邦の個人所得税について少しずつ書いてみたい。2009年1月15日からの2008年分の申告に少しでも役立ってほしいと願う。

下記をクリックください。

第1回目:初めの初め
第2回目:どの税金を申告するか
第3回目:データが必要だ


アメリカ税務申告事始:従来のご参考


1日目:いくら所得があれば申告するのか
2日目:申告する必要のある人
3日目:社会保障番号と納税者番号

4日目:居住者と非居住者
5日目:ファイリングステータス

6日目:扶養家族の控除  
7日目:どの所得を申告するのか

8日目:人的控除
9日目:Form 1040の種類
10日目:Form 1040の付属表や関連フォーム
11日目:標準控除と項目別控除
12日目:税額の算出
13日目:外国税額控除
14日目:税金の還付
15日目:税金を払う
16日目:延長戦
17日目:(延長戦)日本からアメリカに所得税を申告する人
18日目:(延長戦)何を日本からアメリカに申告するか
19日目:(延長戦)アメリカに申告するデータ
20日目:(延長戦)源泉徴収票
21日目:(延長戦)項目別控除
22日目:(延長戦)二重課税の回避
23日目:(延長戦)申告書の郵送
24日目:(延長戦)後2日で申告期限


What's new


予定納税

予定納税の4回目の支払期限は1月15日までだ。W-4を提出して源泉徴収をしていても、その金額が少ない場合や源泉徴収にのらない人は、予定納税を行うことになる。これは居住外国人のみならず非居住外国人まで対象とされる。アメリカの税金の対象になっている場合、日本に住んでいても、予定納税を考えないといけない。

次の条件を満たす場合は、予定納税が必要になる。

1.源泉徴収や税額控除をとってもなお、2008年に$1,000以上の税金を払わなければならない。
2.源泉徴収額や税額控除額が次のいずれかよりも小さい。

① 2008年の税金の90%
② 2007年(フル12ヶ月)の税金の100%
 調整後総所得が$150,000を超えていた高額所得者は、10%増しで110%

もっと詳しく読む。

新しい住宅税額控除

2008年住宅援助税法(Housing Assistance Tax Act of 2008)は個人に対して住宅購入のインセンテイブを与え、低迷する不動産市場の活性化を狙うために、特別な$7,500までの住宅控除を与える。これは、新築住宅はもとより中古住宅でもかまわない。対象になる住宅取得の期間は限定があり、2008年4月9日から2009年6月30日までとなる。

この法律による住宅控除の内容は次のようなものだ

1. 控除金額

住宅購入金額の10%または$7,500のいずれかで、$7,500が上限である。
これは夫婦の場合であり、独身では$3,750となる。
調節後総所得が$150,000(独身$75,000)を上回るならば、控除はフェーズアウトする。

2. 還付型控除

通常は控除をとることで、税金がなくなればそれでおしまいになるが、この場合はマイナスになり、マイナス分が還付される。次の例だ。この住宅控除をとる前に、2008年に4,000ドルの税金を支払うことになっている。$7,500の税額控除を取ることで、納税額はなくなり、さらに$3,500ドル還付される。


2008年度分申告事始




ブログから


外国金融口座のおたずね

IRSから手紙が来たと言うことで、申告内容についての話かと思っていたら、なんと外国金融口座のおたずねだった。そもそもこの外国金融口座の報告は、税金の話ではない。アメリカ市民やアメリカの居住者がアメリカの外に金融口座(銀行口座とか証券口座など)を持っていて、年間の残高が瞬間でも1万ドル(100万円強)以上の場合、口座の情報TD F 90-22.1で報告する。

個人の口座情報なので、自分が直接関与するわけには行かない。TD F 90-22.1はどういうものかという説明をして、個人にお任せしている。

そもそもの目的がテロ資金やマネーロンダーリングの監視にある。普通の生活をしている人には無縁の世界に思える。それ故に、とにかく事実を報告さえしていれば問題はないだろうと思っていた。しかしながら、初めてこのお尋ねが来たので驚いた。

もともとの申告内容がコンピュータからアウトプットされ、こことここがおかしいからもう一度正しい情報を送りなおせと言う。確かに指摘されている点はつじつまがあわない。税金とは異なり、記載情報が訂正されることで、基本的には税額に跳ね返るわけではない。単純に訂正したものを送り返すことをお願いした。

この書類もアメリカの財務省がしっかり見ているのだとあらためて思った。アメリカの管理が入国手続きやビザの発給だけではなく、こうしたところまでも厳しくなってきているのかと思わずにはいられなかった。


そんなバカな

まったくその国で所得がないのに、税金がどっと発生するということが考えられるだろうか。どう考えたって理解を超える。支払うべき過去の税金があり、当年度は所得がないとかといったことではない。もっと、自然な形でそういうおかしな状況になるので、なおのこと感覚的には、そんな事があるんだと思ってしまう。例えばその国で所得がゼロなのに、1,000万円の所得税がかかる、1億円だってありえるというようなケースだ。もっとも自分が知らなかっただけで、そんなのは日本でもいくらでもあるというのかもしれない。どういう状況でこんな椿事が起きるか。

属人的課税が一つの条件である。アメリカの課税方式は日本と異なり、アメリカ人である限りアメリカの税金を払わなければならない。日本は日本人である限り日本の税金を払わなければならないという点を容易に乗り越えてしまう。外国に住むようになって日本の非居住者になってしまえば、日本を源泉とする所得がない限り日本の税金は考えなくても良い。つまり、とても大雑把に言えば、日本という地理上の土地の上に住んでいる事がなくなれば、日本の税金の外に出てしまう。日本は属地的な課税を行う。

アメリカはアメリカ人である限り、世界中のどこに住んでいようとアメリカに申告をしなければいけない。言ってみれば、世界中がアメリカだと言っているようなもので、南極だろうが北極だろうがおかまいなしだ。はなはだしきは、宇宙空間だって税務上の扱いはアメリカなのだ。乱暴だと考えないでほしい。宇宙空間がアメリカの課税権が及ばないことになると、宇宙空間で役務を提供して所得を得る宇宙飛行士は、仕事を行っても税金が課税されなくなってしまう。

要は、属人的な課税を行う事が大前提だ。それゆえに、アメリカに住んでいない場合、アメリカでの所得はない。つまり、アメリカの所得はない。仮にそのアメリカ人はアジアのある国で働いて、所得を得てその国で所得税を支払っているとする。

こうした場合に、アジアの国で得た所得がアメリカの所得総額の中に組み入れられてしまう。それによって、アメリカの税金が計算される。しかしながら、外国で課税された所得に、もう一度アメリカが所得税を二重課税することは過酷なため、外国税額控除を使って、アメリカの税金から外国の税金が引かれてアメリカの税金が発生しない形となる。

ところが、税率の差がいたずらをする。同じ所得について、外国の税率が20%であるにもかかわらず、アメリカの税率が25%だとすると、この5%の差がアメリカの税金として出てきてしまう。結果的に、アメリカ源泉所得はないにもかかわらず、アメリカの所得税だけが発生してしまう。

アメリカの属人的課税+(アメリカの税率>外国の税率)という条件下では、冒頭のような事が起きてしまう可能性が出る。アメリカの属人課税が不具合であるゆえんだ。これを抜け出るにはアメリカの市民であることを辞めなければならない。さらに、その事由が租税回避ならば、アメリカの市民権を放棄してもなお、10年間はアメリカ市民として税務上は扱われる。

こうしてみると、税金を課税する側の観点では、アメリカの仕組みはうまく出来ている。


米国遺産税は外国人に不公平

アメリカに居住者として住んでいる人、グリーンカードを持っている人は所得税の申告だけではなく、遺産税についても考えるべきだ。確かに、毎年の所得税申告のことは考える。ところが遺産税のことはどれだけ考えているだろうか。毎年、手にする給料が100だったとする、これに対して税金が30だったとして、これに多くの関心が向けられる。そして、いろいろ節税を考えて税金が20になることも10になることもあるかもしれない。

そして、毎年積み上げた所得は財産として積みあがっていく、節税によりセーブできた分も蓄積される。これはストックになっており、毎年の100の10倍、20倍いや100倍以上に大きくなっていることもある。そして、自分が死んだ場合に最も課税される場合には最高税率が50%近くになる。

とすれば、毎年の所得税のことを考えるのは、100円玉を考えるようなものだが、10,000円や5,000円札のことをもっと考えるべきだ。しかし、心理的な障壁があり、いずれそのうちと思考を停止しているのが我々ではないだろうか。

こと、アメリカの遺産税はアメリカの市民に対しては良く出来ている。冒頭に該当する日本人は財産を課税されると言うことにおいては、アメリカ人と差別されることはない。しかし税法上の扱いでは明らかに差がありすぎる。

アメリカの市民は全世界の所得がアメリカの税の対象になるように、全世界の財産も遺産税の対象になる。アメリカ市民になっていない日本人であっても、アメリカに長期にわたり住んでいるならば、遺産税の対象になる。

アメリカ市民同士の夫婦では配偶者に財産を残すことで、遺産税を避ける事が出来る。金額の無制限な配偶者控除が使えるからだ。生存配偶者が生きている間は課税される事がなく、残った配偶者が亡くなった時に遺産税の問題が出てくる。残念なことに、この配偶者控除は外国人配偶者には認められてはいない。

共有財産の処置でも、外国人配偶者の場合はとても不利だ。2人とも米国市民の夫婦では、財産を得るに誰が資金を提供したかに関係なく、共有財産は各々50%ずつ所有すると考えられる。つまり、財産の50%が相続財産に含まれる。生存配偶者が米国市民でないならば、生存配偶者が遺産取得で資金を提供したということを証明できない限り、すべての共有財産は相続財産に含まれてしまう。さらに、配偶者控除もあてはまらない。

日本人がアメリカ市民にならないで、長期の仕事でアメリカ居住者になる時には遺産税の対象になる事が起こりえる。


どこの州で申告するか

会社で働いている場合、会社の給料から税金が引かれている。連邦税が引かれ州税が引かれる。これは、特に変わったこともなく当たり前だ。所得の源泉地はどこかと言うことを考えた時に、役務を提供したところである。即ち、その会社で働いているのだから、会社のある場所で働いている。多くの場合には、その州に住んでいてその州の会社で仕事をしている。それゆえに、その州で税金を払えばよい。しかし、住んでいる州と働いている州が異なる場合はどうするのだろう。

そもそも、自分が住んでいる州で税金を払うべきか、働いている州で税金を払うべきなのかどちらなのだろう。所得税の基本からすれば、役務を提供されているところが源泉地となる。だから仕事をして役務提供している州に税金を払えばよい。一つの考え方だ。

しかしながら、自分が住んでいる州、とりわけ子供や奥さんの住んでいる州に税金を払わなくて良いのだろうか。子供の学校を考えたって、自分の住んでいる州でいろいろな社会サービスを受けている。それなのに、その州に税金を払うことなく、もっぱら仕事をしている州で税金を払えばよいと言うのはどうもすっきりしない。むしろ住んでいる州にこそ税金を払うべきではないか。これも一つの考え方だ。

州と州の境に住んでいる場合、次のようなケースが出る。一例として、ワシントン州とオレゴン州の州の境がそのひとつだ。ワシントン州のバンクーバー(カナダではない)という都市がある。コロンビア川を渡って南はすぐにオレゴン州のポートランドだ。ワシントン州は個人の所得税がない。一方州の売上税がある。オレゴン州は個人の所得税がかかるが、州の売上税がない。

知人のアメリカ人はワシントン州バンクーバーに住んで、買い物は川を越えてオレゴン州に行く。これはどうしようもない。州の所得税を払わなくて良いし、売上税も払わなくても良い。この逆で、オレゴン州に住んでワシントン州に買い物に行くのは経済合理性がない。

ともあれ、自分が本拠を構えて、住んでいる州で所得税の課税を受ける事がベースになる。そして、他州で働いていれば、その働いた対価は他州を源泉所得とするから他州に税金を払う。ただし、その期間や金額が一定範囲以下ならば、他州にあっても税金をかけないと言うこともある。複数の州で働いていれば、その期間に見合う所得を個々の州に申告する。他州での税金は税額控除の対象になる。とても面倒な話になる。

これは大変なので、特定の州においては他州と互恵的な約束をしている。役務提供地ではなく住んでいる州で源泉徴収することを認める。これにより、取り回しは簡単になる。一つの州に申告をすることになるし、会社はそこの州だけで源泉徴収すればよい。

複数の州にまたがって生活や仕事がなされていたら、複雑な処理となることは間違いない。


仕事の海外流出を止める

オバマ氏がアメリカ国内から海外に雇用が流れ出ているのを止めるために、新たな税務上の措置を取ろうとしている。その提案は、アメリカに拠点を置く会社が、海外で稼いだ収入を配当などで「本国へ送り返す」まで、海外所得に対する税金を払わなくても良いようにするという。この措置は、アメリカの会社が、低い税率を享受している外国会社と競争する時に、プラスに作用するだろう。

しかし、ワシントンポストによると、もともと仕事が、海外に流出していることは、それがために一方的に国内がやせ細っていると言うことではないと言う。

会社が海外に仕事を移すことで、特定の人たちや地域社会が影響を受けているのは間違いがない。しかし、アメリカ全体としては、仕事を作り出して恩恵をもたらす。エコノミストが言うには1982年から2004年の間に海外事業を拡大したメーカーは、国内でも事業が拡大している。結果として、会社がよりアメリカ人を雇用し、賃金を支払い、開発投資も行っている。過去20年を見てみると、外国の事業拡大が国内の事業活動を一方的に少なくしていると言えるほど簡単ではない。

なるほどそういう見方が出来るものなのかと思う。何といっても、低い賃金が海外シフトの最大の原因であったとするならば、税金をいじったところで、どこまで効果があるのだろうか。冒頭のように、海外からの配当の課税時期を遅らせることは、逆にアメリカの会社が税率の低い国で投資をする方向になってしまうのではないかと思える。

もともと、アメリカの会社は海外の会社に比べて、税率が高くハンデを背負っている。ここに手をつけることがあえて税金で言えばやることに思えるのだが、アメリカが民主党の政権になれば、増税路線ではあっても、減税になるのかどうかわからない。

これは、アメリカだけではなく、日本にも共通する問題ではないだろうか。日本は海外からの配当に対しては、新たな外国所得免除制度を検討しているという。海外の会社で得た利益を日本に配当として還流すると、日本の高い法人税率が40%と海外の25%(一例)の差分15%が海外からの配当に対して課税されてしまう。

これだと、せっかく税金を払った後のお金に対して、日本の税金がさらに上乗せされてしまう。それ故に、海外で一度税金を払ったお金に対しては、日本の課税から免除する。これにより海外からの利益を日本国内に戻そうとする。これも、逆に税率の低い外国に利益を置いておいたほうが良いという事にならないのだろうか。

アメリカも日本も悩みは一緒だと思う。


誰の所得か

会社が従業員から差別をしていると訴えられる。そして、従業員は弁護士と成功報酬の契約を結び、勝ったら損害賠償金の3分の1を弁護士に支払うことを約束する。そして従業員が勝ち、損害賠償金100万ドルを会社に支払わせる。勝ったのは従業員と弁護士だけではなく、アメリカの税務当局も勝つ。そして一番勝つのは税務当局かもしれない。

この100万ドルの賠償金に限って考えた場合、税務当局は裁判を起して勝った原告に対し、一度、課税を行う。そしてもう二度目は、原告側の弁護士へ課税することになるので、一粒で二度おいしい税金になる可能性がある。

原告から考えると、100万ドルすべてを自分の所得と考えるのか、弁護士の取り分である33.3%相当部分が自分の所得でないと考えるのでは天と地ほどの差がある。前者の場合、最悪の場合、弁護士への成功報酬と税金を払えばほとんど残らないと言うこともありえる。弁護士費用や裁判費用は項目別控除として調整後総所得の2%を差し引いた分を控除できる。しかしながら、Alternative Minimum Taxの対象になる場合に、その他の項目別控除は全く控除できなくなってしまう。

原告は損害賠償で100万ドルを受取る。そこから弁護士へ3分の1の成功報酬として33万ドルを払う。すると、原告の手元のお金は77万ドルまで減少する。裁判を行ったときに、旅費交通費や諸々のお金が10万ドルかかっている。これで、手元に残るのは67万ドルになる。さらに、連邦税と州税をあわせ45%の税金がかかる。これはもとの100万ドルに対してかかるわけなので、45万ドルが税金に消えてしまう。

100万ドルの取り分

   税金     45万ドル
   弁護士    33万ドル
   裁判費用   10万ドル
   自分の取り分 12万ドル

なんと、原告の手には12万ドルしか残らず、思いもしなかった税金が45万ドルと半分近く取っていくし、弁護士も33万ドルだ。場合によっては弁護士の取り分がもっと多いこともあるし、裁判の費用がかさめば、実質的な原告の取り分は限りなくゼロに近くなる。まかり間違えばマイナスになることすらありえる。

これで釈然としない原告は、弁護士の報酬はもともと弁護士が稼いだものだと主張する。すると、スタートが67万ドルになる。

67万ドルの取り分

   税金     30万ドル (67万ドル×45%)

   裁判費用   10万ドル
   自分の取り分 27万ドル

自分の取り分が2倍以上違ってくる。

どちらが正しいのであろうか。裁判所の中でもそれぞれ異なる判断がなされている。どちらもあるのだが、税務当局からすれば税金が少なくなるのは認められないとなろう。


誰が税金を払うか

贅沢税は通常の生活に必要不可欠なものにかけるものではない。もともと、戦時に税収を上げて贅沢を戒める意図があった。自動車や宝石や毛皮にかけていたものである。例えば贅沢品に10%の税金を課す。所得税の税率を引き上げることなく金持ちに課税しようとする。なかなかうまいやり方のようにも思える。

しかしながら、贅沢税の結果は、贅沢品の需要が落ちることである。金持ちは別の代替品やライフスタイルにお金をかける事が出来る。特別なメーカーが贅沢な特別な自動車を作っているとする。そうした特別の車を作っているメーカーは、大企業ではない。何とか、売上げを維持し、会社を維持していかなければいけない。そこで、贅沢な自動車の値段を下げなければ売上げを維持できない。別の言い方をすれば、その税金を吸収しなければ自動車が売れなくなる。

会社は、その税金に見合う利益を出すために、従業員の給与を引き下げる。こうした会社で働いている人たちは大きな雇用機会のない小さな町で作られている。給料が引き下げられても、簡単に会社を辞めて雇用先を見つけるわけには行かない。従業員は従うしかない。

金持ちが払うように作られた贅沢税は、所得の少ない従業員によって支払われる。

要するに、つけを回せるかどうかである。金持ちは、自動車だけではなく他の物にお金を使うことが出来る。働いている人たちには代替案が限られる。家庭もあれば、特殊な技能ならば他の仕事をするわけにはいかない。

ここに税金を払う時に、本当は誰が税金を払うのかと言う問題がある。

個人が税金を負担するのは耐えられないから、儲かっている企業に法人税を払わせたら良いとよく言われる。しかし、税金は自然人しか払う事が出来ない。法人の本質は、法人は納税者ではなく、むしろ税金の徴税者だ。法人税を払っているのは、株主や従業員や消費者だ。つまり、会社が法人税を払ったつけが、配当を下げる形で株主へ及ぶし、従業員の給与が抑えられ、消費者は高い商品やサービスを買う。

選択肢の限られた人が税金を払うことになる。やはり、個人所得税で、所得の大きさに比例して税金を払うのが最も適切だと思う。


縦の言葉と横の言葉

日本人とアメリカ人の違いを意識させられることの一つに、場所を尋ねられた時の答え方だ。日本人は、絵を描いて場所の説明をしようとする。“道が右の方に曲がっているでしょう、その道をしばらく歩くと、右側にコンビニがあるので、そこを通り過ぎて、一つ目の信号を左に曲がったところ”とか言いながら、簡単な地図を描く。

アメリカで道を教えてもらうと、道路の名前と何番とか言われてさっぱりわからない。全体の絵を頭の中で描けないので不安になる。

大体、日本では、幹線道路は別にして、道に名前が付いていないことが圧倒的に多い。そして番地の付け方も法則性があるのかどうか良くわからない。そうしたところで育っているので、絵を描いてもらい、ここから1kmで、左折だとか言われる方がよほど理解できる。

法律の条文を読むと、なぜか日本語なのに良くわからないことがある。条約でもそうだ。句読点もなく、だらだら一杯書いてあって文章がやたら長い。いつも読んでいる人でなければ、なかなかすっきりと理解できないだろうと思ってしまう。

一方、日本語と同じ条文を英語で読んでみると、なぜかわかりやすいと思う事がある。わかりやすい原因は英語の場合、何と言っても主語が何か、述語が何かということが捕らえやすい。主節がどれで、条件など示している従節は何かとかわかるからだ。言葉としては英語の方がはるかに論理的だと思う。

とは言いながら、英語の法律の条文も絶望的なくらいわからない事がある。単語の意味がわからないというだけでなく、わざとわからなく書いてあるのだと思うほど、1つの文章が半ページくらい長い事がある。全体の主語と動詞が何なのだと探し回らないといけない。

いずれにしても、横の言葉と縦の言葉では、お互いに頭の構造が違うので、なかなか理解する事が容易ではない事がある。自分にとってわかりやすいのは具体的な例を出してもらうことだ。具体的な数字が入った例で説明されると良くわかる。

英語で書いてある遺言だとか、本当に内容を良く理解してサインしてあるのかどうか首を傾げたくなるようなこともある。まわりに相談する人もなく、異文化の中で年を重ねるのは大変なことだと思う。


アメリカ市民とアメリカ国民

アメリカの税法を見ていると、アメリカの市民(citizen)とアメリカの国民(national)と言う言葉が出てくる。例えば扶養控除の対象になる事が出来る人はどんな人かというところを見ると、適格要件が5条件出てくる。そのうちの一つに市民テストなるものがあり、アメリカの市民もしくはアメリカの国民でなければならないと言った条件がつけられる。こうした条件がなければ、日本からアメリカに申告しなければならない人(アメリカの非居住外国人)が、自分の子供を扶養控除に入れられると良いのだが、それは認められない。

それはそれで仕方ないにしろ、アメリカ市民とアメリカ国民と言う言葉だ。この言葉はアメリカの税法を見ていると実に良く出てくる。そこでひるがえって見ると、日本国民という言葉を我々は良く使う。日本市民と言う言葉を我々は使うだろうか。市民と言う場合、国立市民、立川市民、横浜市民とか川崎市民とか言うものの日本市民と言う言い方は皆無だろう。

実はnational(国民)と言う言葉はあまり出てこない。税法の定義で、国民あるいはアメリカの国民と言う言葉は、扶養控除に関してや限定されたところに出てくる。アメリカ国民であってアメリカ市民ではないこともありえる。

アメリカの場合、法律により言葉の定義がされているので、税法の定義が汎用的なものかはわからないが、次のように言う。

アメリカ市民:

1.アメリカ合衆国に生まれた人
2.親がアメリカ市民である人(単数なので、どちらかの親であればそれでよい)
3.アメリカ市民に帰化した人
4.プエルト・リコ生まれの人
5.グアム生まれの人
6.アメリカのバージン諸島生まれの人

アメリカ国民:

アメリカに忠誠を尽くす個人で、すべてのアメリカ市民と、アメリカ市民でない人も含む。つまりアメリカの属領、例えばアメリカン・サモアと北マリアナ諸島の市民を含む。

アメリカ市民 + アメリカの属領市民 = アメリカ国民

扶養控除で言えば、控除対象になる人はアメリカ市民、アメリカ居住外国人、アメリカ国民、カナダまたはメキシコに住んでいる人が対象になる。

ケイマン諸島

お昼の時間にたまたまTVのムービーチャンネルでHAVENという映画を15分ほどだけ見た。ケイマン諸島が舞台の映画だ。途中からなので、映画の筋書きもわからないし、つまらない映画と言う感じだった。しかし、ケイマン諸島がなぜタックスヘイブンになったのか、と言うシーンにたまたまでくわした。ケイマン諸島=タックス・ヘイブンの一つだが、なぜそうなったかと言う経緯は初めて知った。

1794年2月にイギリスの商船隊がケイマン諸島で座礁し